久々に模造刀での稽古を行いました。
木刀に比べ、より真剣に近いため
剣術本来の「剣術」に近い稽古となります。
Sさんから質問があり
「畜生心の畜生(=動物)が良くわかりません。
動物は、そんなに卑しい行動を取るとは思えず、
夕雲先生は何を思って畜生が悪いと説いたのでしょうか?」
さすがと言う所です。
私は以下のように回答をしました。
「畜生心の畜生とは
動物(四つ足の生き物)の事ではありません。
より分かりやすい法話を出すと、畜生心とは
”有財餓鬼と無財餓鬼”を併せ持った心です。
兵法における有財餓鬼とは、
すでに持っている財産(命、地位、名誉など)を
死ぬ、負ける事で失う事を恐れる心であり、
無財餓鬼とは、まだ手にしていない”勝ち”と言う
財産(付随する金品、地位など含む)を
何としても手に入れたい欲望であり、
平たく言えば、
”自分の命を至上に想い、お相手の命を軽んずる心”
の事です。」
ある流儀では「二心の葛藤」と言う表現で伝えてます。
夕雲流で伝わる畜生心から離れるには、
自身を公平の場に立たせる事が必要です。